車に長期間乗らないときの注意点についての質問
何年間も乗らないのなら売却や一時抹消登録という方法があります
転勤や海外赴任、病気などでしばらく車に乗らないときに悩むのが、車を持ち続けるのかどうかです。
車に乗らない期間が予め分かっているのなら問題ないですが、いつ車に乗れるようになるのか見当もつかないような場合には、一旦売却してしまえば余計な心配事がなくなって安心することができます。
しばらく乗らない車を売却するなら、複数の買取業者から見積もりをもらってできるだけ高値で買い取ってもらいましょう。
車に乗らない期間が分かっている場合や車を手放したくないときには『一時抹消登録』をすることで、乗らない期間の自動車税請求をストップすることができます。
一時抹消登録自体は陸運局で500円もあればできるような簡単な手続きですが、安易に一時抹消登録することはおすすめできません。
たしかに一時抹消登録することで自動車税の請求がストップして、既に収めていた自動車税と自賠責保険の還付が受けられます。しかし一時抹消を取り消して再登録するときには『改めて車検をとる』必要があるからです。
仮に1~2年程度の保管期間であれば、一時抹消登録をせずに自動車税を収めていたほうがトータルで考えると安上がりになることがあります。もし3~5年以上車を保管するのなら、一時抹消登録を考えても良いでしょう。
なお、一時抹消登録をした車は公道を走ることができません。そのため家族の誰かが乗ったり動かす際にも道路上には出られないので、その点も考えて一時抹消登録を検討しましょう。
車を長期保管するときの注意点・ポイント
車は定期的に動かすことで性能を維持することができます。長期間保管するときでも週に1度は暖機運転して、最低でも月に1度は1時間程度のドライブをすることで劣化を極力抑えることができます。
しかし完全に車の保管場所から離れてしまい、信頼できる人に車の定期稼働を頼めないときには、しっかりとした保管方法をとっておかないと再び車を動かすときに修理工場のお世話になってしまいます。
車を長期保管するときの注意点・ポイント
バッテリーのマイナス端子を外しておく
車に乗らないと(エンジンを掛けないと)バッテリーが充電されず、自然放電や暗電流による放電で3ヶ月もすればバッテリーが上がってしまいます。
また、深放電をしたバッテリーは充電しても回復困難になります。それを防ぐ意味でもバッテリーのマイナス端子を外しておきましょう。
状態が良く、満充電されたバッテリーなら自然放電でも1年程度は持つことがあり、軽い充電で回復します。もし数年保管するならバッテリー自体を車から降ろしておきましょう。
エンジンオイルを交換しておく
気休めかもしれませんが、走行により酸化したエンジンオイルを長期保管オイルパンに溜めておくのはあまりよくありません。新しいエンジンオイルに交換して、新油をエンジン内部に行き渡らせておきましょう。
ボディカバーを掛ける
仮にガレージ保管でもカバーを掛けておくことをおすすめします。
なお、ボディカバーはホームセンターで売られているような汎用品の薄い安物は屋外保管だと、半年もすればボロボロになるので避けた方が無難です。
数万円しますが、カーカバー専門業者が車種別のボディカバーを販売しているので、自分の車の形に合ったボディカバーを用意しましょう。
タイヤの変形を防ぐ
全く車を動かさないのであればタイヤの変形を防ぐためにジャッキアップしておきます。4隅にリジットラック(ウマ)をかけておいて、タイヤを地面から浮かしておきましょう。
サイドブレーキは解除しておく
サイドブレーキを掛けっぱなしにしておくと固着してしまうことがあります。
サイドブレーキは解除しておいて、MT車なら2速か3速にギアを入れておきます。
AT車ならPレンジに入れておきます。
タイヤを浮かしていなければ輪留めをしておきましょう。
ガソリンは空にしておく
全く動かさないのであれば、ガソリンはできるだけ空にしておきましょう。
ガソリンは長期保管で腐ってしまうからです。なお、最近の車のガソリンタンクは樹脂製や樹脂コーティングされているので、昔の車のように満タン保管しなくても錆びることはありません。
何も考えずに車を長期間保管すると確実にダメージを負います。対策を施すことで劣化を抑えられますが、一番良い方法は信頼できる人にお願いをして定期的に車を動かしてもらうことです。
車を長期保管すると様々なリスクがありますが、最も怖いのが『盗難』や『イタズラ』です。思い入れのある車や希少価値のある車なら保管対策を講じる必要がありますが、そうでなければ売却してしまうのもひとつの方法です。