根強い人気があるが減少傾向にあるMT車
現在の車は95%以上がAT車やCVT車なので、マニュアル操作を要するMT車を見ることはほとんど無いですよね。MTが大半を占めていたタクシーやトラックなどの営業車、スポーツカーなどでさえもATに切り替わっているので無理もありません。
しかしアクセルとブレーキの踏み間違えが起きにくいという理由などもあって、MT車が再び見直されているようです。
MT車のメリット・デメリット
あまり見かけなくなったMT車ですが、構造上や操作上で様々なメリットが存在します。
AT車やCVT車に比べて構造が簡単なので、低コストで作ることが可能です。トラブルが発生したときでも修理が容易で費用が安い点もメリットです。
AT車やCVT車よりも駆動ロスが発生しにくい構造となっているので、軽自動車から大型トレーラーまで全ての車両を効率良く走らせることができ、燃費に優れる利点があります。
MT車はドライバーが任意のギアを選びながら走行でき、エンジンのパワーバンドを有効に使うことができるので、車を操っている感はAT車やCVT車では味わえないものです。
MT車のデメリットといえばクラッチペダルの操作です。発進や変速時に必要となるクラッチ操作には繊細さが要求されるので苦手としている人が多いようです。
坂道発進や渋滞時のクラッチ操作やエンストが嫌で、AT車やCVT車を選ぶ人がいるほどMT車は敬遠されています。
参考記事:AT車のメリット・デメリット【MTやCVTとの違い・燃費】
参考記事:CVT車のメリット・デメリット【AT・MTと燃費や性能が違うのか】
ペダルの踏み間違えが起きにくいMT車が見直され始めている
近年では新規運転免許証取得者の半数以上がAT限定を選択して、MT車の運転ができないドライバーが増加していることに驚きを隠せません。
たしかにAT車やCVT車ばかりなので、あえてMT車を選ぶ人は稀な存在かもしれません。しかし極端に言えば子供でも運転できるようなAT車とは違い、MT車を操るにはある程度の技術と知識がないと不可能です。
難しいと思われているクラッチ操作も、慣れてしまえば運転を楽しむ醍醐味に変化します。車好きな人であればぜひMT車を選んで頂きたいと思います。
最近社会問題となっているアクセルとブレーキの踏み間違えが発生しているのは、AT車やCVT車がほとんどです。MT車であればペダルを踏み間違えることはまず考えられません。
MT車は車の操作方法を認識していなければ物理的に運転をすることはできないので、高齢者に対して特別な講習やテストを行わなくても運転適応能力を判断できるということにも繋がります。
自動ブレーキなどの新技術が注目されていますが、根本的な操作ミスを防ぐ意味でMT車の存在が見直されているようです。
車は便利だけど凶器にもなるので、運転をするには相応の技術と知識を有していないと安全な運行ができないはずです。運転が楽だからという理由でAT限定免許を取得したり、MT車を敬遠してAT車やCVT車を選ぶ風潮には個人的に疑問を感じています。