仕事中や通勤途中の交通事故は労災になる
仕事中や通勤途中における交通事故は、勤務中の事故として扱われて労災の対象になります。そのような場合は労災保険の申請を忘れないようにしましょう。
自分が被害者であれば、加害者の自動車保険による損害賠償金とは別に、労災保険からの保険金をもらうこともできます。
労災保険と自賠責保険の二重取りはできない
交通事故の損害に対して自賠責保険を使った場合には、労災保険を使うことができません。ふたつの保険を同時に使うと保険の二重取りになってしまうので注意しましょう。
自賠責は国土交通省、労災保険は厚生労働省の所轄ですが、政府側の意見として交通事故の補償に関しては自賠責保険を使うように推奨しているようです。
しかし最終的にどちらの保険を使うかは被害者が判断することなので、労災を使ったほうが良いと判断したときは労災保険を使うようにしましょう。
自賠責保険よりも労災保険を使ったほうがいいケースとは
事故の過失割合や相手の状況によっては、自賠責保険よりも労災保険を使ったほうが良い場合があります。
- 事故の過失割合が大きい
- 事故の相手と過失割合で揉めている
- 事故の相手の車が自賠責保険や任意保険に加入していないとき
- 事故の相手が盗難車で、車の所有者が運行供用者責任を認めないとき
このようなケースでは労災保険を使ったほうが良いかもしれません。
自賠責保険の場合、過失割合によっては損害補償を20~50%減額されてしまうことがあります。
労災保険では減額されることがないので、自分側の過失割合が大きいときには労災保険を使ったほうが保険金を多くもらえることがあります。
自賠責保険を使っても労災の休業特別支給金をもらえる
労災の休業補償に『休業特別支給金』という保険がありますが、これは自賠責保険を使った場合でももらうことができます。
休業特別支給金は労災事故で怪我をしたときに労災保険から支給されますが、労働福祉事業からの給付金なので自動車保険の補償と重なることがないからです。
休業特別支給金は給料の20%程度です。なお自動車保険会社から休業補償をもらう場合でも休業特別支給金は支給されます。
労災保険の請求は会社を通して行いますが、個人で行うことも可能です。もし会社から請求を拒否された場合には保険料のアップなどの会社に対するデメリットがないことを説明して会社に納得してもらいましょう。
万が一の事故に備えて車両保険の検討をするときには自動車保険一括見積もりが便利です。
車の乗換えや現在加入している保険契約更新の時期が近づいたときには、自動車保険の見直しをおすすめします。
会社側は労災が発生することにより安全管理の問題を指摘されるのを嫌がり、労災申請を認めたがらないことがあります。しかし交通事故は会社の安全管理とは無関係なので、労災保険を使うときにはしっかり申請するようにしましょう。