アメリカ独自のレースがNASCAR
アメリカではNASCARと呼ばれる独特なレースが開催され、全米中から常に注目を集めています。 NASCARとはNational Association for Stock Car Auto Racingの略で、全米自動車レース協会のことを指し、同協会が主催するレースがNASCARシリーズです。
日本ではあまり馴染のないNASCARですがアメリカでは抜群の知名度を誇り、アメリカの4大スポーツ(NFL・MLB・NBA・NHL)に迫るほど人気があります。NASCARは主にオーバルコースでレースが行われています。
出典:http://www.foxsports.com/nascar
NASCARシリーズとは
1948年に始まったNASCARシリーズは、市販車(ストックカー)を改造した車両を使って争われていましたが、現在ではNASCARシリーズ専用車が用いられています。
外観こそ市販車を思わせる形状をしていますが、これは完全なカバーでフロントからリアまで一体化されています。そのためヘッドライトやテールライトは塗装やデカールでの再現、ドアは開かず(ドアそのものが無い)ドライバーはサイドウィンドウに相当する開口部から乗降します。
カーボンファイバーやチタンなどを禁止しているNASCARは、1,500kg以上とレース車両としては異例な重さですが、これらはコスト高騰抑制とイコールコンディションのためです。
パイプフレームに搭載されるエンジンは5.8L V8 OHVと古典的な形式ながらも最先端の技術により、10,000rpm 800馬力以上を発揮するレーシングエンジンとなっています。
NASCARシリーズに参戦するドライバーは、地域カテゴリーからのステップアップ組の他にIRLやCART・F1からの転身組も多く参加しており、元F1ワールドチャンピオンのジャック・ヴィルヌーヴやマクラーレンF1チームで活躍していたファン・パブロ・モントーヤなどが有名です。
日本人もNASCARシリーズに参戦しており、福山英郎、服部茂章、尾形明紀などが活躍しています。
NASCARシリーズの最高峰がスプリントカップシリーズ
出典:http://www.sportingnews.com/nascar
NASCARシリーズには様々なカテゴリーがありますが,
- スプリントカップシリーズ
- エクスフィニティシリーズ
- キャンピングワールドシリーズ
この3大カテゴリーが有名で、最上級が『スプリントカップシリーズ』です。
NASCARシリーズ最大規模であり、スプリントカップシリーズの開幕戦である『デイトナ500』は賞金総額約20億円、優勝賞金約1億5千万円のビッグレースです。
スプリントカップシリーズが年36戦、その他シリーズも20~35戦行われ、シーズン中はほぼ毎週レースが開催されています。全米中でテレビ中継されるなど、アメリカ人が熱狂する自動車レースがNASCARシリーズです。
ポップでド派手なカラーリング、オーバルレースならではの超接近戦や多重クラッシュなど、アメリカ人が大好きな要素がいっぱい詰まっているのがNASCARシリーズです。日本の自動車メーカーではトヨタが参戦していますが、やはり全米中に与える宣伝効果の高さを狙っているのでしょう。