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セルフ式ガソリンスタンドにある静電気除去シートには意味がある
フルサービスより値段が安くて、少量でも気兼ねなく給油できるセルフ式ガソリンスタンドを利用している方が増えています。
セルフガソリンスタンドの給油機に静電気除去シートが備えられていることをご存知でしょうか。
今まで静電気除去シートを知らなかった方や触ったことがない方は、この記事を読んで給油前になぜ静電気を除去する必要があるのか理由を知っておきましょう。
静電気が帯電したままの給油はとても危険
静電気といえばバチッとくるあの独特の痛みを思い浮かべますね。静電気は体と衣類や衣類同士が擦れ合って発生しますが、車に乗っているときは座席と衣類の摩擦によっても発生します。
体に帯電した静電気は数千ボルトあるといわれていて、金属などに触れた瞬間に一気に放電されます。このときにあのいやなバチッが発生しますが、同時に火花も飛んでいます。
もしガソリンを給油するときに静電気の放電が起こったらどうなるでしょうか。ガソリンはとても引火しやすくて静電気の火花であっても着火してしまうので、体に静電気が帯電したままの給油はとても危険なのです。
給油前に静電気除去シートを触る理由
セルフ式ガソリンスタンドの給油機を見ると「はじめに静電気除去シートに触れてください」と書かれています。
静電気除去シートに触ってもバチッとこないし、ゴムのような感触なので効果があるのか疑問に思うかもしれません。静電気除去シートは静電気をゆっくり逃がす素材でできているので、体にたまった静電気を確実に地面に放電してくれます。
もし静電気除去シートに触れずに給油を開始した場合、給油ノズルを給油口に差し込んだ瞬間に放電した静電気の火花でガソリンに引火、火災が発生してしまう可能性があります。
給油前に静電気除去シートを触る理由は、帯電した静電気を地面に放電してガソリンに引火することを防ぐためということが分かって頂けたでしょうか。
フルサービスのガソリンスタンドに静電気除去シートがないのはなぜか
従来からあるフルサービス式のガソリンスタンドで静電気除去シートを見かけないのはなぜでしょうか。これは給油を担当する店員が静電気の帯電を防止する制服や靴を着用しているからです。
セルフのガソリンスタンドの場合は静電気を体にためこんだお客さん自身が給油をするので、静電気除去シートによる放電が必要になります。
セルフ式ガソリンスタンドで給油するときの注意点
体にたまった静電気を逃がす
給油ノズルを握る前に静電気除去シートに触って体にたまった静電気を逃がしましょう。車のボディ(金属部分)に触れるだけでも静電気は逃げていきます。
別の人に給油を交代しない
せっかく静電気除去シートに触って静電気を逃がしても、途中から他の人に給油を交代すると意味がありません。給油口を開けて給油ノズルを握った本人が給油を完了するようにしましょう。
火気厳禁
ガソリンスタンドは火気厳禁です。運転手、同乗者を含めてタバコを吸わないようにしましょう。給油中の携帯電話使用もやめるべきです。
給油中はエンジン停止する
引火防止のため給油中はエンジンを停止させましょう。車の窓やドアを閉めておくことで、出火したときに車内への延焼を防ぐことができます。
携行缶への給油禁止
セルフ式ガソリンスタンドは携行缶に給油が禁止されています。灯油用のポリタンクに給油することも禁止です。
これはアメリカのセルフガソリンスタンドで発生した静電気火災の映像ですが、日本でも同様の事故が起きています。特に冬場の乾燥した時期は静電気がたまりやすいので、静電気除去シートに必ず触れてから給油を開始するようにしましょう。
セルフ式ガソリンスタンドで給油する方法はこちらの記事を参考にしてください。
参考記事:セルフ式ガソリンスタンドでの給油方法・やり方・注意点
静電気なんかたいしたことないと思われがちですが、気化したガソリンは静電気の火花で簡単に着火してしまいます。静電気除去シートを触るのは少し面倒かもしれませんが、習慣にしてしまえばすぐに慣れますよ。