カタログの燃費と実燃費の差【実際の燃費は悪い】

カタログ燃費は実現不可能なのか

燃費偽装問題などがメーカーの経営に悪影響を及ぼしている昨今ですが、そもそもカタログ燃費は実現可能なのでしょうか。

ハイブリッド車などでは、リッター40km越えの燃費を叩き出す車が登場するなど燃費競争はますます過激になっています。実際に車を購入するときの検討材料として、低燃費を最重要課題とするユーザーが多いようです。

メーカーが低燃費に躍起になるのも当然のことでしょう。しかしどんな低燃費車を購入したとしても、カタログ燃費を実現させることは不可能ということをほとんどのユーザーは実体験で分かっているはずです。

そもそもカタログ燃費とは?

燃費の計測方法が『10・15モード燃費』から『JC08モード燃費』に変更されて、より実燃費に近くなったと言われています。そもそもカタログ燃費とはどのように計測されるのでしょうか。

カタログ燃費とは、一定の条件下で定められた走行パターン(モード)に沿って車を走行させて測定した燃費です。この測定は国が基準を定めており厳格な測定結果として扱われます。

カタログの燃費と実燃費の差【実際の燃費は悪い】
出典:http://www.jama.or.jp/user/pdf/jitsunenpi.pdf

測定は室内でローラー上に車を固定して行われます。回転したローラーにより燃費が測定されますが、実際の走行ではありえないほどの好条件下で行われていると思っていいでしょう。

無風状態で渋滞のない真っ平らな道路を、エアコンやライトなどの電装品を一切使わずに、車を真っすぐ走行させて測定された燃費がカタログ燃費です。

なぜカタログ燃費と実燃費に大きな開きが出てしまうのか

カタログの燃費と実燃費の差【実際の燃費は悪い】
出典:http://www.jama.or.jp/user/pdf/jitsunenpi.pdf

カタログ燃費は最高の条件で叩き出された理想の燃費です。10・15モード燃費からJC08モード燃費に進化し、より実際の条件に近づけようとしていますがまだまだ実態とはかけ離れています。

日本自動車工業会によると全ての日本車の平均で10・15モード燃費より実燃費は約3割低くなり、JC08モード燃費の場合には実燃費が約2割低くなるという結果が出ています。

カタログ燃費と実燃費の差が発生する理由としては、

  • 電装品の使用
  • 燃費試験ではエアコンやライトなどの電装品を一切使用しないで測定するので燃費が良くなります。電装品の使用による燃費への影響は低燃費車ほど大きくなります。

  • 季節による燃費の違い
  • 実生活で車を使うときは、夏にはエアコンを使用するし、冬場はエンジンが冷えた状態で稼働されることが多くなることなど、季節にって燃費は変化します。

  • 登坂による影響
  • 登り坂ではアクセルを踏み込むので燃費が悪くなります。道路には勾配があるところが多いので坂による影響は無視できません。

  • ドライバーの運転による燃費への影響
  • 加速・減速が激しいことや、スピードを出し過ぎたり、アクセル操作が荒い場合など、運転の仕方により燃費が大きく変化します。

このようにカタログ燃費はあくまでも理想の燃費であり、実際の燃費は使用条件を重ねる毎に悪化していくことが分かります。

そうなるとカタログ燃費自体に意味があるのかと思ってしまいますが、同一条件で測定されたカタログ燃費は車同士を比較する場合の目安になり、購入時の判断材料として活用することができます。

車の燃費は走り方や使い方で大きく変化します。無駄なアイドリングを止めたり、「急」のつく操作を控えるだけでもかなり燃費が良くなります。結局は安全運転することが一番燃費に効果があるということですね。


カタログ燃費が良いエコカーほど実燃費が悪いと言われるのは、燃費の良さにあぐらをかいてアクセルを踏み込み過ぎていることも原因の一つです。燃費はあなたの運転を示すバロメ-ターなので、恥ずかしくない燃費を出すよう安全運転に努めていきましょう。