10・15モードとJC08モード燃費の違いとは

燃費判断の基準になるモード燃費

私たちは車の宣伝やカタログに出てくるJC08モード燃費を見て、その車の燃費を判断しています。過去には10・15モード燃費が採用されており、10・15モードとJC08モードが併記されていることもありました。

ところが10・15モードとJC08モードの意味を知っている人はあまりいないのかもしれません。ここでは燃費判断の重要指標となるモード燃費について調べてみましょう。

10・15モードとJC08モード燃費の違いとは
出典:http://www.caranddriver.com/

10・15モード燃費とは

10・15モード燃費は1991年に定められた燃費測定方法です。それまでは市街地走行を想定した10モード燃費が用いられていました。更に郊外での走行を想定した15モード燃費を加え、10・15モード燃費となりました。10・15モード燃費は3,000kmの慣らし走行を終えた車両を暖機運転して、エアコンや電装品をOFFにした状態で測定します。

時代に即した測定方法がJC08モード燃費

自動車を使用する環境の変化や燃費測定技術の進歩を踏まえて、10・15モード燃費より実際の走行条件に近い測定方法としてJC08モード燃費が考案されました。

JC08モード燃費とは

JC08モード燃費は従来の測定方法よりもユーザーが実際に走行する状態に近づけるために2013年3月から使われている燃費測定方法です。

10・15モード燃費ではエンジンを暖機運転後に測定していましたが、JC08モード燃費ではエンジン暖機後だけでなく冷えた状態からの測定も加えられました。加・減速の測定も厳しくなり最高速度も70km/hから80km/hに引き上げられています。

10・15モード燃費からJC08モード燃費に移行したことで平均1割程度燃費が悪くなっています。実際に走行する状態に近づけて測定しているJC08モード燃費ですが、実燃費でカタログ値を実現するのは相当に困難なことを多くのユーザーが経験しています。

燃費測定は室内でローラー台を回して行われます。無風状態でエアコンや電装品を全てOFFにするなど、およそ実走行ではありえない好条件での測定です。そのため日本自動車工業会でもJC08モード燃費よりも、実燃費の方が約2割低くなると認めているほどです。

最高の条件で叩き出された理想の燃費結果に意味があるのかは不明ですが、カタログ値はあくまで理想の数字と捉えてあまり固執しないほうが良さそうですね。


燃費は車を選ぶときの重要な判断材料ですが、理想の数値を比較したとしてもあまり意味がないと思うのは私だけでないはずです。偽装問題まで噴出したカタログ燃費が現実に即した数字になる日が来るのでしょうか。