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車のホイール交換のときに見落としがちなホイールナットの種類
ドレスアップでホイールを換えたり、冬タイヤへの変更などで純正ホイールから社外ホイールに交換する機会がかなり多いと思います。
しかしホイールナットは自動車メーカーによって種類が異なり、必ずしも社外ホイールに適合するとは限りません。
自動車メーカーによってホイールナットの座面形状が異なる
ホイールナットの取り付け座面形状は大きく分けて3種類あります。
ホイールナットは取り付け座面でホイールと接しています。
社外ホイールはテーパー座(60度)に統一されていますが、自動車メーカーの純正ホイールナットは違う座面形状をしていることがあります。
テーパー座ナット
社外ホイールの他に純正ホイールでも採用されているなど、最も多く使われているのがテーパー座ナットです。ホイールとの接触面が60度のテーパー角になっています。
球面座ナット
ホイールとの接触面が丸い球面になっているナットで、R12球面座ナットともよばれています。球面にすることでホイールとの接触面積を多くとることができます。
国産車ではホンダの純正ホイールナットに採用されています。
平面座ナット
フランジ(つば)とワッシャーが付いているナットで、ワッシャー付ナットともよばれています。
主にトヨタの純正ホイールナットとして採用されていますが、日産や三菱の一部の車種でも採用されています。
ホイールに合わないホイールナットを使うと大きな事故の原因になることも
車のホイール交換で純正のホイールナットを再使用するときは、座面形状が合っているか確認するようにします。
もしホイールに合わないホイールナットで締めこんでも固定することはできます。しかしホイールとナットの接触面積が極めて小さいために、走行中にナットが緩んで大事故に繋がる可能性があります。
特に注意しなければいけないのがホンダ車で使われている球面座ナットです。
球面座ナットは一見するとテーパー座ナットと見分けがつかないので、社外ホイールにもそのまま使えると思われがちです。しかしホイールとナットが点で接触することになるので、しっかり固定できず非常に危険です。
自分でホイール交換するときは事前にホイールナットの種類を確認しておく
ネットショップやオークションなどで購入したホイールに自分で交換するときは、現在車についているホイールナットの座面形状を調べておき、交換するホイールに適合するのか確認しておきます。
違う自動車メーカーの車に乗り換えたときも要注意です。
保管してあるスタッドレスなどの冬用タイヤに履き替えるときに、ホイールナットの座面形状が合わないことがあるからです。今まで使えてたから大丈夫とは決して思わないようにしてください。
ホイールナットはトルクレンチを使って規定トルクで締め付ける
ホイールナットの座面形状が合っていても、適切なトルクで締め付けないとナットが緩むことがあります。
車種によって多少の違いがありますが、ホイールナット締め付けには規定トルクが決まっています。
軽自動車:90N・m
普通自動車:100N・m
しっかりとした規定トルクでホイールナットを締め付けするにはトルクレンチが必要です。
自動車で使われている部品の中でホイールナットは最重要部品のひとつです。
ホイールナットが緩むのを恐れて締め過ぎる傾向がありますが、締め過ぎるとボルトが破断することがあり、さらに危険です。トルクレンチを使って規定トルクで取り付けることが大切です。

友人の車に同乗しているときに異様な振動がするので調べてみたら、社外ホイールなのに球面座ナットを使っていたなんてことがありました。このときは私が振動に気づいたからよかったものの、そのまま走行していたら大事故を起こしていたでしょう。ホイールナットは想像以上に重要なパーツなので軽視しないようにしてください。