
マニュアル車に乗るなら半クラッチは必ずマスターする必要がある
現在の若者は半分以上がオートマチック限定免許で、男性が25%ほどなのに対し女性は80%近くがAT限定免許のようです。
たしかに最近の車はAT車が大半なので仕方ないですが、できればマニュアル車も運転できる普通免許を取得してほしいですね。
MT車を運転するときに最も困難なことが『半クラッチ』です。通称「半クラ」ですね。
自動車学校で教習を受けている時期だと、半クラッチ操作が上手くいかないのはある意味当然です。半クラッチに失敗してエンストすることは貴重な経験になります。
ただし、既にMT車の運転免許を持っているのに半クラッチがヘタというのはマズいですね(笑)上手くなるように克服しましょう。
半クラッチとは何か?なぜ必要なのか?
自動車学校でいきなり半クラッチと言われても分かるはずがありません。そもそもなぜ自動車学校がもっと分かりやすく半クラッチについて教えないのか疑問です。
クラッチには『掴む』という意味があります。
半クラッチの『半』は半分の略です。つなげて言うと『半分掴む』ですね。
車が走る時にはエンジンが回転していなければなりません。途中の構造を思いっきり省略して話しますが、エンジンと駆動するタイヤにはそれぞれ1枚ずつの円盤が付いています。
ギアが1速に入った状態でクラッチペダルを踏んで、車が停まっているときにはエンジンの円盤が回転していますがタイヤの円盤は停止したままです。
ここでクラッチペダルを勢いよく戻すと2枚の円盤がくっつきます。しかしエンジンの回転力が停止しているタイヤに勝てずにエンストしてしまいます。
そこでクラッチペダルを徐々に戻していくと、エンジンの円盤の回転力がタイヤの円盤にゆっくりと伝わりながら車が動き出すのでエンストしません。
このようにエンジンの円盤の回転とタイヤの円盤の回転が徐々に同調していくように調整することを『半クラッチを使う』と言います。
理解できたでしょうか?できませんよね(笑)クラッチの構造を示しながら説明するのは、構造を理解していないと分かりにくくなるだけなのでここでは用いません。構造そのものを学びたい人は他のサイトで学びましょう。
要するに構造を理解することが大事というわけではないということです。
半クラッチのコツ・ポイント
半クラッチのコツはずばり『慣れる』ことです。
慣れれば左足が勝手に半クラッチを調整してくれます。一番のポイントは何度エンストしてもいいので、とにかく経験を積むことです。
慣れ以外にもいくつかポイントがあります。
サイドブレーキを掛けておいて、アイドリング状態でクラッチペダルを踏んでギアを1速に入れます。
一番奥まで踏んだクラッチペダルを徐々に戻していくと、あるところでエンジンの音が変化して止まりそうになるのが分かるはずです。
ここがクラッチが繋がり始めるポイントです。このポイントの前後2~3cmを調整することが半クラッチのコツです。
よく一番奥にクラッチペダルがある状態から恐々とペダルを戻す人がいます。
しかしエンジン音が変化する手前までの領域は全く無意味なので、音が変化しだすポイントにだけ集中しましょう。
なお、普段乗らない車に乗る時には、停車状態で一度クラッチが繋がるポイントを確認すると緊張することなく発進ができるようになると思います。
あなたは左足のカカトを浮かしてクラッチペダルを操作しますか?クラッチ操作が苦手な方のほとんどはカカトを浮かして足を前後させています。
これだと足に余計な力が入るので微妙な操作ができません。カカトを床に着けたままクラッチペダルを操作しましょう。
なお、カカトを床に着けて操作する動作は、当然ながらハイヒールやサンダル履きではやりにくいはずです。ハイヒールやサンダル履きでの運転が違反になる理由は、安全に運転できないからです。
※ブレーキペダルを踏むときもカカトを床に着けて、足先を前後させるように操作しましょう。スムーズなブレーキングが可能になります。
半クラッチのコツはとにかく慣れることと、クラッチが繋がるポイントの把握、そしてカカトを床に着けた操作です。慣れれば体が勝手に反応するので、怖がらずに何度もチャレンジしてみましょう。

エンストを恐れてむやみに空吹かしをする人がいますが、クラッチ板を摩耗させるだけなので止めましょう。上手な人ほどエンジンを煽ることなくスムーズに発進させていきます。慣れるまでは何度エンストしてもいいので、経験を積んで半クラッチをマスターしてください。