市販の電気自動車で争われるEVレースが熱い
電気自動車と言うとクリーンでエコなイメージなので、決して速く走るための車ではないと思っている人が大半だと思います。しかし電気自動車のみで争われる『EVレース』が静かなる人気を集めていることはご存知でしょうか?
出典:http://jevra.jp/
排気ガスや二酸化炭素(CO2)の排出がゼロのEVレースは、地球環境のことを考えた次世代のモータースポーツとして期待されています。
日本におけるEVレースは日本電気自動車レース協会(JEVRA)により開催され、2010年から歴史がスタートしています。まだまだ過渡期の電気自動車にとって、EVレースにおけるデータのフィードバックという意味は大きいようです。
気軽に参加できるEVレース
EVレースは市販車の状態でも、ロールバーと4点式以上のシートベルト装着で誰でも参加できるのが特徴です。
電気自動車特有のバッテリーの残量と相談した走りが重要になり、単に速いだけでは勝てないEVレースならではの面白さがあります。
市販車クラスはモーターの最大出力別に4クラスに分類されています。
- EV-1 市販車クラス(モーター最大出力161Kw以上)
- EV-2 市販車クラス(モーター最大出力111Kw以上161Kw未満)
- EV-3 市販車クラス(モーター最大出力61Kw以上111Kw未満)
- EV-4 市販車クラス(モーター最大出力61Kw未満)
代表的な参加可能車種としてEV-1クラスがテスラロードスター、EV-2クラスがBMWi3、EV-3クラスが日産リーフやホンダフィットEV、EV-4クラスが三菱i-MiEVやスマートEVです。
レースは予選と決勝で行われ、決勝は50kmまたは55km(レースにより異なる)で争われます。クラス別でのレースではなくクラス混走での決勝レースなので、総合トップの車両が規定距離を走り終えた後の順位で総合順位やクラス別順位が決定します。
バッテリーの残量を計算したレース運びをしないと、電池切れでのリタイヤ、逆にセーブし過ぎてタイムを落としてしまうなどEVレース独特の展開が魅力です。
参加者のほとんどが普段使用している電気自動車でのレース参戦です。コストが低く、気軽に参加できるEVレース。電気自動車オーナーなら気になりますね。
電気自動車のレースは遅くてつまらなそうと思われるかもしれませんが、実際に見るとサーキットのあちこちで接近戦が展開され非常に楽しいですよ。エンジン音が全くせずにタイヤのスキール音や、ボディが空気を切り裂く音だけがするEVレースを一度体感してみてはいかがですか?