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本来の意味とは違った目的で多用されているハザードランプ
走行中にハザードランプを点滅させている車を見かけますよね。
ハザードランプはパッシングと同様に、ドライバー間のコミュニケーションツールとして広く使われているものです。
しかし本来の意味とは違った使い方が広く浸透しているので、教習所で習うことがない慣習的なサインの意味を知らないドライバーが多くいます。
ここでは広く知られているハザードランプの意味や使い方を紹介していきます。
パッシングについての参考記事:パッシングの意味・やり方を教えて欲しい【車の合図】
ハザードランプの本来の意味とは
ハザードランプとは『非常点滅表示灯』と呼ばれ、道路運送車両の保安基準により車への装着が義務付けられています。
なおハザード(hazard)とは「危険」という意味です。
道路交通法上のハザードランプの使い方は、『夜間に幅員5.5m以上の道路に駐停車するときは非常点滅表示灯または尾灯を点けなければならない』と記載されています。
広く知られているサンキューハザードなどは道路交通法のどこにも記載されていません。
ハザードランプの本来の意味は故障などでやむをえず緊急停止するときの合図、周囲を走行中のドライバーに前方に危険があることを知らせるといった目的で使うことを知っておきましょう。
一般的に使われているハザードランプの意味
緊急停止や危険を知らせるためのハザードランプですが、一般的には違う意味で使われていることが多いようです。
近年ハザードランプの合図として主に使われている3種類を覚えておきましょう。
渋滞を知らせるハザードランプ
高速道路やバイパスなどを走行中、先行車がハザードランプを一斉に点滅し始めることがあります。
これは前方に発生している渋滞を後続車に知らせるための合図で、追突事故を防止するために使われています。
このときの対処法は、先行車のハザードランプ点滅と前方の渋滞を確認したら自分の車のハザードランプを点けます。
そして速度が落ち、周囲の車がハザードランプを消し始めたら自分の車も消すようにすればOKです。
駐車場の駐車スペースに入れるときのハザードランプ
駐車場でもハザードランプを点滅させている車を見かけます。このときの意味は今から駐車スペースに車を入れますよという合図です。
特にバックで駐車するときに点滅させることが多く、後続車に少し待ってほしいという意志もあるので先行車がハザードランプを点けたら車間距離を空けて停止するようにしましょう。
自分がハザードランプを点けてバック駐車したら、待っていてもらった後続車のドライバーに軽く会釈してお礼を伝えるといいですね。
感謝の気持ちを表すハザードランプ
合流や車線変更をしようとしたときに進路を譲ってくれた車に対して、感謝の意味を込めて2~3回ハザードランプを点滅させることを、ありがとうハザードとかサンキューハザードと言います。
しかし停止する意味でハザードランプを点ける車も存在するので、無闇に多用すると事故を招くので注意したいところです。
一般的に使われているハザードランプの意味を3種類挙げてみましたが、あくまでも本来の使い方や意味とは異なるものです。
そのため気軽な気持ちで使うのも考えものだし、譲った相手がサンキューハザードを出さないとしても腹を立てる必要もありません。
臨機応変に対応し、ハザードランプの意味が明確に判断できるときだけ使うようにしましょう。もちろん緊急停止や危険を知らせるときには即点滅するべきです。
パッシングと同様、ハザードランプも地域により意味が異なるので、混乱を避けるために私自身はハザードランプをあまり多用しないようにしています。会釈や手を挙げることで相手に意志が伝われば充分だし、そちらのほうがスマートだと思いますがいかがでしょうか。