自賠責保険の運用益によって運営されている自動車事故対策機構(NASVA)

自動車事故対策機構(NASVA)は自動車事故の発生防止や被害者支援を行っている

自動車事故対策機構(NASVA)は平成15年に設立された独立行政法人で、自賠責保険の運用益を使って運営されています。

自動車事故対策機構の主な業務は、自動車事故発生防止事業被害者支援事業の2つに分類されます。

自動車事故対策機構が自動車事故発生防止のために行っている事業

自動車の安全性能に関する情報提供

自動車を買う人が安全な車を選びやすくしたり、自動車メーカーがより安全な車を開発するために、市販車の安全性能を比較するテストを行って情報を提供しています。

試験項目は以下のようなものがあります。

フルフラップ前面衝突試験

コンクリートの壁に時速55kmで正面衝突させる試験です。運転席と助手席にマネキンを乗せて、頭部、頚部、胸部、下肢部への衝撃や室内スペースの変形などを5段階で評価します。

オフセット前面衝突試験

時速64kmで運転席側だけを前面衝突させる試験です。運転席と後部座席にマネキンを乗せて、頭部、頚部、胸部、腹部、下肢部への衝撃や室内スペースの変形などを5段階で評価します。

側面衝突試験

停止した自動車の側面に重さ950kgの台車を時速55kmで衝突させる試験です。この試験も車内のマネキンへの衝撃や、室内スペースの変形具合によって5段階評価となっています。

交通事故の中で正面衝突の次に被害が大きいのが側面衝突といわれています。ドア一枚で衝撃に耐える必要があることから、もっとも車の安全性能を問われる試験だといえます。

後面衝突頚部保護性能試験

停止している自動車に、後部から時速20kmで衝突したときの衝撃を4段階で評価する試験です。座席シートにマネキンを乗せて、後ろから衝撃を与えて測定します。

自動車事故による傷害の中で、後ろからの衝撃による頸部損傷が最も多く発生しています。

歩行者保護性能試験

自動車が歩行者に衝突したときに、障害の程度を測定する試験です。マネキンを自動車に衝突させて、頭部と脚部への衝撃を測定します。

自動車事故を防止するための運動

運行管理者指導講習

バスやハイヤー、タクシーやトラックなど、業務で自動車を使用する人に対する安全講習です。安全管理方法や運行管理の実務、法律などについての知識を教えています。

安全講習は国土交通大臣の認定を受けて、全国50ヶ所で講習を開催しています。

運転者適性診断

シミュレーターを使いながら運転の癖などを測定します。それにより、想定される危険や事故回避のための指導を受けることができます。主に業務で自動車を使用する人を対象としていて、年間46万人以上が受診しています。カウンセラーによる定期診断も行われています。

自動車事故対策機構が行っている被害者支援

養護施設の運営

自動車事故によって脳に障害を負った重度後遺障害が残った人への支援を行っています。入院しながら治療とリハビリを受けることができる養護施設の運営などです。

入院施設を持つNASVA療護センターが国内に4ヶ所あり、治療と看護が受けられるNASVA委託病床が国内に3ヶ所存在しています。

介護料の支給

交通事故によって重度の後遺障害を負った人に、介護に必要な費用を支給しています。

介護料として支給される金額は後遺障害の度合いによって、以下のように3種類に分けられています。

  • 特I種 68,440円~136,880円
  • I種 58,570円~108,000円
  • II種 29,290円~ 54,000円

介護料は毎年3、6、9、12月に3ヶ月分まとめて支給されます。

その他にも生活資金の貸し付けや交通事故被害者向けのホットラインを開設して、被害者支援を行っています。

任意保険の加入を検討するときは→→→保険スクエアbang!自動車保険一括見積もりサービスを利用するのがおすすめです。

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この記事のライター:自動車保険サイト管理人「結城」
自動車事故対策機構は、交通事故の発生防止や被害者の救済のために様々な業務を行っています。しかし養護施設が不足していて、後遺障害患者の治療や介護が追い付いていないのが現状です。今後はこのあたりの拡充を行ってもらいたいですね。