自賠責保険に未加入でも許される車がある
自賠責保険は強制保険ともよばれ、すべての車に加入が義務付けられています。自賠責保険未加入の車を公道で走らせると違反で罰則があって、車検を受けることもできません。
自賠責保険未加入の車を運転すると「1年以下の懲役または50万円以下の罰金」が科せられて、「違反点数6点加算」で即免停です。自賠責保険未加入は交通違反の中でも悪質な部類に入ります。
しかし例外があって、自賠責保険に入らなくても違反にならない「自賠責保険適用除外車」が存在します。この適用除外車の自賠責保険加入は「任意」なのです。そこで今回は自賠責保険適用除外車について紹介していきます。
自賠責保険適用除外車とは
自動車損害賠償保障法の第十条に自賠責保険加入義務の除外規定があります。
自動車損害賠償保障法【第十条】
第五条及び第七条から前条までの規定は、国その他の政令で定める者が政令で定める業務又は用途のため運行の用に供する自動車及び道路(道路法 (昭和二十七年法律第百八十号)による道路、道路運送法 (昭和二十六年法律第百八十三号)による自動車道及びその他の一般交通の用に供する場所をいう。以下同じ。)以外の場所のみにおいて運行の用に供する自動車については、適用しない。
上記の規定は特定の車については自賠責保険の加入を強制しないというものです。
除外対象車は以下のような車です。
- 自衛隊の任務の遂行に必要な自動車
- 在日米軍の任務の遂行に必要な自動車
- 国連軍の任務の遂行に必要な自動車
- 道路以外の場所においてのみ運行の用に供する自動車(構内専用車)
- 農耕作業用の小型特殊自動車(トラクターなど)
保険会社は自賠責保険の引き受け拒否ができませんが、上記の車に関しては契約を断ることができます。なぜならば、あくまでも自賠責保険加入が強制されていなくて任意加入だからです。
上記以外でも、サーキットを走るレース車両やスタント車両などは自賠責保険の契約ができません。
自賠責保険適用除外車と事故を起こしたときの損害賠償はどうなる
自賠責保険の補償金額は死亡の場合 3,000万円、後遺障害 4,000万円、傷害 120万円となっています。しかし自賠責保険適用除外車は保険に加入していないので補償そのものを期待できません。
もし自衛隊や米軍などの政府が関係する車と事故を起こした場合は、国に補償を求めることになります。国が相手なら補償は問題ないと思いがちですが、実際はなかなか困難を極めるようです。
フォークリフトなどの構内専用車による事故の場合は、使用者である法人が賠償責任を負うことになりますし、業務中なら労災保険を使います。
一般道を走る農耕作業用のトラクターを見かけることがありますが、あまり近づかないほうがいいでしょう。なぜならば万が一事故をおこしたときは個人の農家を相手にするので、賠償金がもらえるか分からないからです。トラクターで自賠責保険に加入している可能性は少ないので、注意したほうがよさそうです。
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この記事のライター:自動車保険サイト管理人「結城」
事故の相手を選ぶことはできませんが、自賠責保険適用除外車はもっとも避けたい相手といえるでしょう。もし自分が自賠責保険適用除外車を所有する立場なら、自賠責保険に加入して補償体制を万全にしておきますが、そのように考える人は少ないのかもしれませんね。