交通事故で死亡したときに自賠責保険から出る保険金は最大で3,000万円
交通事故で一家の大黒柱が亡くなった場合、残された遺族は路頭に迷ってしまうかもしれません。そのような経済的リスクを解消するのが自動車保険の保険金です。
自賠責保険では死亡した場合、3,000万円を上限とした賠償金が支払われます。ここでは死亡事故の損害賠償金の算定方法について紹介していきます。
死亡事故における損害賠償金の計算基準
死亡事故における損害賠償は以下の3つから構成されています。
・逸失利益
・慰謝料
・葬儀費用
これらを合計したものを損害賠償として請求します。
損害賠償の計算方法は以下の3つです。
・自賠責保険基準
・任意保険基準
・弁護士会基準
この中で一番有利な計算方法が弁護士会基準です。示談交渉がまとまらないときは裁判をして弁護士会基準によって損害賠償額を争うことになります。
しかし裁判費用や弁護士費用、時間が掛かるので、できる限り避けたい計算方法でもあります。
これから先は自賠責保険基準の計算方法についてお話ししていきます。
自賠責保険基準による損害賠償の計算方法
逸失利益
逸失利益とは故人(被害者)が生きていれば得られたはずの利益のことです。もし60歳で定年となる方が30歳で亡くなったとしたら30年分の賃金を失うことになります。
逸失利益は加害者に請求することができて、計算方法は以下の通りです。
(年収-生活費)×死亡年齢の就労可能年数のライプニッツ係数
ライプニッツ係数は以下の表から求めます。
実際に逸失利益を求めてみましょう。
・38歳男性
・年収450万円
・生活費300万円
(450万円-300万円)×15.141=2,271万1,500円
およそ2,300万円が将来得られたはずの利益として算出されます。
慰謝料
死亡事故における慰謝料は2つあって、それぞれに定額が定められています。
・故人(被害者)への慰謝料
・被害者の近親者への慰謝料
自賠責保険基準の慰謝料は以下のように定められています。
故人(被害者)への慰謝料・・・350万円
近親者への慰謝料(請求権者が1人の場合)・・・550万円
近親者への慰謝料(請求権者が2人の場合)・・・650万円
近親者への慰謝料(請求権者が3人以上の場合)・・・750万円
請求権者になれるのは被害者の父母、被害者の配偶者、被害者の子供(養子や認知した子も含む)です。
なお請求権者が被害者に扶養されている場合は、上記金額に200万円プラスされます。
葬儀費用
葬儀費用の上限は60万円です。ただし大規模な葬儀を行う場合は100万円まで認められることがあります。
葬儀費用として認められるものは以下の通りです。
・遺体運搬費
・火葬費用
・お布施、戒名、読経料
・初七日、四十九日などの読経料
墓地や永代経料、香典返し、年忌供養費などは葬儀費用として認められません。
ここまでお話ししてきた逸失利益、慰謝料、葬儀費用の合計で損害賠償額が決定します。ただし自賠責保険では上限が3,000万円です。
3,000万円を超えた分は加害者が加入している任意保険に請求します。
もし加害者が任意保険に入っていなければ自賠責保険からしか損害賠償を受け取れません。このような事態を想定するなら、人身傷害保険への加入をおすすめします。
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この記事のライター:自動車保険サイト管理人「結城」
交通事故による死亡者数は4,000人を超えているので他人事とはいえないようです。あまり考えたくないことですが、被害者遺族になったときのことを想定して、損害賠償金の算定方法を頭に入れておいたほうがいいでしょう。