日産R35GT-Rの中古車を買うときの注意点【保証・タイヤ代・維持費】

目次

R35GT-Rの中古車を選ぶときは保証を必ず確認しよう

日産が世界に誇るスーパースポーツカー『R35GT-R』は2007年から発売が開始され世界中のスポーツカーマニアから垂涎の的となっています。

特に海外ではフェラーリやポルシェと同等のパフォーマンスを発揮するスポーツカーとして認知され、ステータスシンボル的な扱いを受けています。

日産R35GT-Rの中古車を買うときの注意点【保証・タイヤ代・維持費】
出典:http://www.nissan.co.jp/GT-R/index.html

発売当初から維持費タイヤ代修理代の高額さが噂されていたGT-Rですが、初期型が初めての車検を迎えた2010年頃からは中古車市場にも多くのGT-Rが流出し始めました。

同時に新車保証特別保証などの噂が飛び交い、中には間違った情報も流れ、現在でもGT-Rの中古車購入に懸念を示す人がいるくらいです。

ここではGT-R中古車を購入するときに必ず確認しておきたい保証について調べてみましょう。

GT-Rで重要なのが新車登録から5年間有効な特別保証

GT-Rには一般の乗用車と違い、2つの車両保証がついています。

ひとつは『一般保証』で、新車登録から3年または60,000km以内で有効な保証です。一般保証は他の日産製乗用車と同様の保証でクラッチやマフラーなどの走行機能部品やエアコン、カーナビといった電装品などが対象になります。

GT-R特有の保証が『特別保証』です。新車登録から5年または100,000km以内で有効な保証です(NCCB:日産カーボンセラミックブレーキに関する部品は3年または60,000km)。特別保証ではエンジンやトランスミッション、サスペンション、ブレーキローターなどが対象になります。

日産R35GT-Rの中古車を買うときの注意点【保証・タイヤ代・維持費】
出典:http://www.nissan.co.jp/GT-R/index.html

GT-Rの大きな特徴が『GT-R特別指定部品』と『NHPC(日産ハイパフォーマンスセンター)』の存在です。GT-Rは特別指定部品を使うこと、及びNHPC(または日産GT-R特約サービス工場)での特別点検を受けることで特別保証が継続されます。

GT-Rが登場して間もない頃は改造が全くできない車と揶揄されましたが、そもそも不正改造を行った車はGT-Rに限らずどのメーカーの車種でも保証対象外になります。

その点は常識的に考えれば分かることですが、日頃からユーザーが行う消耗品の交換に関してもGT-Rでは銘柄が指定されているものがあるので注意が必要です。

GT-R指定油脂類

  • エンジンオイル
  • モービル1(0W-40)またはモチュール製ニスモ コンペティションオイル タイプ2193E(5W40)

  • トランスミッションオイル
  • ミッションオイルR35スペシャル

  • 前後のデファレンシャルオイル
  • デファレンシャルオイルR35コンペティション タイプ2189E

  • ブレーキフルード
  • ブレーキフルードR35スペシャルⅡ

これらの指定油脂類をNHPCで交換することが必要です。これはたとえ指定油脂類を使用していたとしても、NHPC以外で交換した場合には管理できなくなるためです。

日産R35GT-Rの中古車を買うときの注意点【保証・タイヤ代・維持費】
出典:http://history.nissan.co.jp/GT-R/R35/0710/XML/card/eq4isr000002txoo.html

タイヤに関してもGT-Rでは装着できる銘柄が指定されており、交換をNHPC または日産GT-R特約サービス工場で行う必要があります。

ここで気を付けておきたいのが、自分のGT-Rの年式に対応したタイヤ銘柄を装着しないと保証対象外になってしまうことです。

GT-R純正タイヤはダンロップとブリヂストンから発売されていますが、それぞれ数種類ずつGT-Rタイヤが存在するので注意が必要です。

なお、タイヤをインターネットなどで安価に購入してNHPCに持ち込み交換を依頼することは可能です(もちろん年式に対応した純正タイヤ持ち込みの場合に限る)。

交換工賃が1輪当たり2万円以上(1台分で8万円以上!)掛かりますが、NHPCで購入するとかなり高額なタイヤ(1本8~9万5千円程度)なので、自分でタイヤを調達することで随分とタイヤに掛かるコストを削減できます(といっても1台分で交換工賃込みで30万円以上になりますが)。

GT-Rの中古車を購入する際は新車保証継承の有無に注意

日産R35GT-Rの中古車を買うときの注意点【保証・タイヤ代・維持費】
出典:http://www.get-u.com/ucar/search/mNI/cS154/a82/d1920_901_05807/

GT-Rの中古車には『一般的な中古車』と『日産認定中古車』が存在します。

一般的な中古車には中古車販売店だけでなくオークションや個人売買なども含まれますが、このような一般ルートで流通しているGT-Rの中古車を購入するときには『新車保証書』が付いているかを必ず確認しましょう。

新車保証は保証期間内であれば、車両のオーナーが変更された場合でも保証書の名義変更をすることで継承が可能になります。

新車保証の継承はNHPCでの点検整備が必須となります。このときにタイヤやブレーキが摩耗していたり車両に不具合が見つかった場合には部品交換などが必要になります。

新車保証の保証期間が残っているGT-Rの中古車を購入したら、必ずNHPCで点検整備を受けて保証の継承をしましょう。

一番安心して乗れるのが認定中古車

日産R35GT-Rの中古車を買うときの注意点【保証・タイヤ代・維持費】
出典:http://www.nissan.co.jp/GT-R/index.html

日産では一定の品質をクリアし、新車同様のコンディションを維持したGT-Rの中古車を『認定中古車』として販売しています。

認定中古車は、

  • 初年度登録より5年以内の車両
  • 事故修復歴無し
  • 点検整備が実施されている車両
  • 走行距離100,000km以内
  • スポーツ走行によるダメージ、不正改造、チューニングなどを純正部品を使って修復

これらの基準をクリアした中古車です。決して安くはありませんが、一般に流通しているGT-Rの中古車を買って不具合箇所を修理するのなら金額的には差がなくなりますし、なによりも安心して購入ができます。

GT-Rの中古車を買うなら認定中古車がおすすめです。

保証が切れたGT-Rの中古車を買うときには

初期型のGT-Rは新車保証が既に切れていますし、今後も保証切れになった車両が数多く中古車市場に流れてくることが予想されます。その場合には販売店保証などを確認することが大切になってきます。

保証が切れたGT-Rを修理する場合に問題となるのが部品代修理費用です。

特にエンジンやミッションをアッセンブリーで丸ごと交換する場合には、数百万円単位での出費を覚悟する必要があるかもしれません。

以前は日産系サービス工場でしか入手できなかったGT-R純正部品ですが、今では一般的な整備工場や部品販売店でも手に入るようになりました。

また、中古部品やリビルトパーツも多く出回っています。これらを上手に活用すれば修理代を削減することも可能です。要は工夫次第と言うことですね。

GT-Rは超が付くほどの高性能スポーツカーです。フェラーリやランボルギーニと比較される車を、一般の乗用車感覚で所有すること自体に無理があります。

スーパースポーツカーの所有にはそれなりの費用が掛かることを理解し、負担を厭わない人がGT-Rのオーナーになるべきだと私自身は思います。投資に見合うほどの性能や価値を伴った車がGT-Rです。


何かと噂が絶えないGT-Rですが車検代も一般の乗用車と大差ないし、普通に乗っている分にはビックリするような維持費にはなりません。しかし何かあったときにはそれなりの費用を要求される車なのは間違いないです。それでもフェラーリやランボルギーニなどを所有するよりは、幾分か安上がりなスーパースポーツカーと言えるでしょう。