ホンダ シビックタイプR【EK9】の中古車を選ぶときの注意点

目次

未だ高い人気を誇るEK9シビックタイプRの中古車を選ぶときの注意点

タイプRシリーズ第3弾目、シビックシリーズとしては最初のタイプRである『EK9型』は1997年8月から販売が開始され、前期型『E-EK9』、1998年9月にマイナーチェンジした後期型『GF-EK9』と進化していき2000年9月に生産が終了しています。

わずか3年しか生産されず、スパルタンモデルであったことと相まって販売台数は少なく、販売終了直後から現在に至るまで中古車相場が高値安定している非常に珍しい車です。

ホンダ シビックタイプR【EK9】の中古車を選ぶときの注意点

EK9に限らずタイプRシリーズに共通した魅力は『VTECエンジン』です。

街乗りを無視したかのようなサーキット向けの味付けが施されたサスペンションや専用高剛性ボディとVTECエンジンの組み合わせで、市販状態でもサーキット走行を存分に楽しめる車として走り好きのマニアから絶大な人気を得ていました。

そんなホンダEK9シビックタイプRの中古車を選ぶときに注意しておきたいポイントを知っておきましょう。

ホンダEK9シビックタイプRの中古車選びは多数の掲載車両を見ることができるカーセンサーが便利です。

➤➤➤自分だけの1台を見つけよう!『カーセンサーnet』

 

使用履歴や素性には要注意!

EK9シビックタイプRの中古車を選ぶときに、普通の中古車選びとは全く異なるポイントがあります。それは過去のオーナーたちの使用履歴素性です。

走りに特化したEK9シビックタイプRですから仮に外観がキレイだとしてもエンジンやサスペンション、ボディが酷使され、ヨレヨレ状態になっている個体がかなり存在しています。

最終型でも16年以上経過している上にハードな走行を重ねている可能性が高いので、単純に走行距離や修復歴などでは優劣を見極められないのがEK9シビックタイプRの中古車であることを理解しておきましょう。

ではEK9シビックタイプRの中古車を選ぶポイントをいくつか挙げてみましょう。

VTECエンジンはオイル管理状態とオーバーレブ履歴に注意

9000rpm近く回るB16B VTECエンジンは高回転エンジンらしからぬ高耐久性を持っているので基本的には普通のガソリンエンジンと同様で気難しいところはありません。

しかし街乗りでも高回転を多用することが多いエンジンなので、オイル管理をキチンとしていない個体はアイドリングの不安定さやハイカムへの切り替わりが安定しないなどの症状が多発します。

エンジンを掛けてアイドリングやVTEC切り替わりを確認するのはもちろんですが、オイルフィラーキャップを開けてカム類の状態をじっくりと観察し、虫食いやオイル焼けの現象が出ていないか入念に確認しましょう。

もうひとつVTECエンジン確認で重要なことはオーバーレブの履歴です。

シフトアップ時はオーバーレブリミッターが働くので問題ありませんが、サーキット走行などでシフトダウン時にオーバーレブしてしまうと瞬間的に11,000rpm程度まで回転が上がってしまうことがあり、そのような履歴のあるエンジンはオイル下がりやオイル上がりが発生しやすくオイル消費が激しいことがあります。

やっかいなのが、中途半端にオーバーレブした履歴のあるエンジンです。

バルブを折るほど豪快にオーバーレブしたエンジンならしっかりとリビルトを施すのでまだ安心できますが、壊れない程度のオーバーレブを繰り返したVTECエンジンはそのまま使われ続けている可能性があるので要注意です。

細かいところではディストリビューターやオイルシール類、各ゴム類が劣化していることが多いですが、これらは部品交換で対応でるので問題はありません。

EK9シビックタイプRの要であるVTECエンジンは、しっかりとした見極めと整備履歴の確認がポイントです。

サーキット走行で酷使されたボディの状態にも要注意

ホンダEK9シビックタイプRの中古車選びは多数の掲載車両を見ることができるカーセンサーが便利です。

➤➤➤自分だけの1台を見つけよう!『カーセンサーnet』

ベース車両より剛性を高めたEK9シビックタイプRのボディですが、サーキットや峠で酷使された個体が多いので注意する必要があります。

普通の車よりも修復歴ありの個体が目立つEK9シビックタイプRですが、しっかりと修復されていれば修復歴ありでも問題はありません。

ボディで見ておきたいのは、ボンネットやトランクを開けて見ることができる溶接箇所です。一通りグルリと溶接部を凝視して割れがないことを確認しましょう。

サスペンション周りも確認しておきたいポイントです。ショックアブソーバー取付け部やサスアームとボディの連結部などに亀裂や変形がないか見ておきましょう。

これらはできればジャッキアップして下から見ておきたいものです。無理ならハンドルを左右に切って奥まで覗きこんで確認します。

外観や走行距離だけでは優劣の判断ができないのがEK9シビックタイプRの中古車を選ぶときの難しさです。仮に外観がノーマル状態であってもバリバリの走り屋仕様車を純正戻ししている可能性もあるからです。

一番のおすすめはサーキット未走行でワンオーナー車ですが、探し出すのは至難の業で、見つかったとしても高価でしょう。

しかしこのような楽しいスポーツカーは、なかなか今後現れることはないので多少高価でも素性の良い中古車を見つけ出してください。


数あるスポーツカーの中でも酷使されやすいEK9シビックタイプRの中古車選びはしっかりとした見極めをしないと購入後にトラブルに見舞われたり、多額の修理費を必要とします。もし購入を考えているようならしっかりと整備された個体に一度乗ってみて、良いコンディションを実際に体験することも大切です。