海外旅行に自分の車を持って行く方法を知りたい【自動車カルネ】

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海外旅行に自分の車を持って行く方法についての質問

海外旅行に行くのですが、長期間レンタカーを借りると高額になるので自分の車を持って行きたいと思います。可能でしょうか?

 

1年以内に日本に持ち帰る条件であれば、特定の国において自分の車を持ち込むことができます。

 

 

自家用車で海外旅行する方法とは

通常日本で登録された車を外国に運んで走行するには、通関手続きをして関税を払い、滞在国で登録手続きをする必要があります。

しかし『自動車カルネ』を利用して一時輸入すると、最長1年間に限り通関手続きを簡素化することができます。

自動車カルネとは

自動車カルネとは、正式にはAIT/FIA Carnet de Passages en Douaneといい、自家用車(自動二輪も含む)の一時輸入通関手続きを簡素化する書類です。

自動車カルネを利用して一時輸入された車は、滞在国で登録手続きをすることなく日本での登録のまま走ることができます。

ただし自動車カルネの有効期間は発給から最長1年間で、定められた期間内に車を再輸出(日本に戻す)する必要があります。

自動車カルネは➤➤➤JAFで発給されます。カルネの利用後はJAFに返却しなければなりません。

自動車カルネを利用するには条件があります。

  • 日本で登録されている車であり、車検が切れていないこと
  • 定められた期間内に車を必ず日本に持ち帰ること
  • 自動車カルネを利用する名義人の本人が海外へ渡航すること
  • 滞在国に車を持ち込む期間が、その国が定めた期間を超えないこと

海外のモータースポーツレースに参加したり、何ヵ国か渡り歩いて旅行する場合、1ヵ国に短期滞在する場合などに自動車カルネを利用することが多いようです。

自動車カルネを利用できる国や地域

自動車カルネを利用できる国や地域は以下のとおりです。なおヨーロッパに車を一時輸入する場合にはカルネが必要ないために、原則的にはカルネを発行していないようです(一定の条件を満たす場合を除く)。

アフリカ地域

ウガンダ・エジプト・ケニア・ジンバブエ・スワジランド・ソマリア・タンザニア・トーゴ・ナミビア・ブルンジ・ボツワナ・南アフリカ・モーリタニア・レソト

アジア/中東諸国地域

アラブ首長国連邦・イエメン・イラク・イラン・インド・インドネシア・オマーン・カタール・クウェート・サウジアラビア・シリア・シンガポール・スリランカ・ネパール・パキスタン・マレーシア・レバノン・ヨルダン

オセアニア地域

オーストラリア・ニュージーランド

南北アメリカ地域

アルゼンチン・ウルグアイ・コロンビア・ジャマイカ・チリ・トリニダード&トバゴ・パラグアイ・ベネズエラ・ペルー

自動車カルネ申請の注意点

自動車カルネを➤➤➤JAFへ申請するには、発行料金の他に預り金や担保金が必要になります。

自動車カルネ発行料金

自動車カルネは1ヵ国につき1枚必要です。カルネを利用して通過する国の数に合わせて必要枚数を申請します。

5枚・・・15,000円
10枚・・・20,000円
25枚・・・25,000円

※全てJAF会員料金

クレーム処理預り金

海外でトラブルが発生した場合に備えてクレーム処理預り金を事前に預けることが必要です。

クレーム処理預り金・・・30,000円

処理経費などを差し引いた預り金の残金はカルネ返却時に返金されます。

担保金

自動車カルネを利用して一時輸入した車が、何らかの理由で再輸出されなかったときには、輸入国の税関から関税違約金が課せられてしまいます。

そのような事態に備えて車が滞在国に輸入されたときに掛かると想定される関税分を担保として預け入れる必要があります(金額はJAFが算出するが、訪問する国や車の種類により異なってくる)。

担保の方法は現金・銀行保証書・3%掛捨金によるカルネ保険などがあります。

申請期間と国際ナンバープレート

自動車カルネを利用して一時輸入した日本登録の車を現地で走行するには国際ナンバープレートに変更しなければなりません。

国際ナンバープレート・・・日本のナンバープレートをアルファベットで記載したもの。JAFに申込めば2週間程度で作成されるが、自作でも可。

自動車カルネの申請期間は約2週間で発行されます。書類の用意や国際ナンバープレート作成期間を考慮すると、通関日から1ヶ月前には申請しておくといいようです。

自動車カルネの利用終了後や有効期間満了後はJAFに返却します。預り金はカルネの利用状況に応じて返金されますが、状況によっては預り金の返金を一定期間保留されることもあります。

日本から滞在国に自家用車を持って行くことは可能ですが、自動車カルネの発行料金・預り金・担保金の他に往復の輸送費が必要になるなど結構な金額を要します。レースに用いる車は別としても、海外旅行の場合には現地でレンタカーを借りる金額と照らし合わせて、お得な方を選択することをおすすめします。


日本から海外に自家用車を持って行くにはそれなりの情熱と費用が必要になってきます。海外では右側通行が多いですが、中には右ハンドル車の走行が禁止されている国も存在しますので渡航前に入念な下調べをする必要があります。