台風・ゲリラ豪雨・洪水などの自然災害被害で車両保険は使えるのか

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自然災害で車が冠水・水没してしまったときに車両保険は支払われるのか

相次ぐ大型台風の上陸やゲリラ豪雨による突然の大雨など、自然の驚異が年々深刻になってきています。

土砂災害や河川の氾濫、道路や駐車場の冠水などの自然災害で、車に致命的なダメージを与えてしまったときに自動車保険が適用されるのか調べてみましょう。

自然災害による被害は車両保険で補償される

台風やゲリラ豪雨などによって車が冠水・水没してしまった場合、修理費などは車両保険に加入していれば補償されます。

車両保険は『一般車両保険』と『エコノミータイプ(車対車+A)』いずれの場合でも保険金が支払われます。

なお冠水・水没以外の自然災害として、暴風での飛来物による損傷や土砂崩れ、倒木被害などでも車両保険が適用されます。

参考記事:車両保険は必要?加入した方がいいの?

修理費が車両保険の保険金額を超える場合には全損扱いになる

車両保険では車の修理費から免責分を差し引いた金額が支払われますが、車の損傷が酷く、修理費が保険金額を超えてしまうときには『全損』扱いになることがあります。

例えば100万円の車両保険に加入していて150万円修理費が掛かる場合は、修理費が保険金額を上回るので全損扱いになります。

この場合には免責分を差し引かれずに100万円が支払われますが、このお金を元に新しい車に買い替えることになります(損害を受けた車は保険金と引換に保険会社が引き取っていきます)。

たとえ全損扱いになったとしても、前の車と同等の車を保険金で賄うことは不可能だと知っておきましょう。それでも車両保険未加入で自然災害を被ることを考えれば、随分と金銭的な負担が減少することになります。

修理費が保険金額を超えない場合は全損扱いとならず、免責分を差し引いた修理費が車両保険で支払われます。

車両保険を使って保険金の支払いを受けると翌年度からは『事故あり割引率』となり、保険料が上がることを理解しておきましょう。

参考記事:自動車保険等級は事故あり・なしで割引率が違う

ローン返済中の車が全損扱いになったときにはローン残債の返済が優先される

不幸にも自然災害による損害で車が全損扱いになってしまった場合、その車がまだローンを払い終えていなかったらどうなるのでしょうか。

ローン残債がある車が全損になった場合、車両保険による保険金はローン返済を優先して支払われます。

この理由は、ローン返済中の車の所有権はローン会社にあるからです。保険金額からローン残債を支払ったあとに残金がある場合は、その車の使用者に残金が支払われます。

もしローン返済中の車が車両保険未加入の場合、自然災害により全損になって車が手元になくてもローン残債を完済するまで払い続けなければなりません。

近年では台風やゲリラ豪雨・洪水などの自然災害が年々凶暴になっているので、リスクを抑えるためにも自動車保険一括見積もりを利用して自分に合った車両保険への加入をおすすめします。

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※車両保険では地震・噴火・津波による損害は補償されないので、地震・噴火・津波車両全損時一時金特約を付帯する必要があります。

参考記事:地震・噴火・津波の損害を補償する一時金特約とは【車両保険】


車が水没してしまう水位は意外と低く、マフラーの排気口が塞がれる水位になるとエンジンが停止して走行不能になり水没してしまいます。突然のゲリラ豪雨などの大雨に遭遇したら、冠水した道路には突っ込まずに、できるだけ高い場所に避難するようにしましょう。